手軽に入手できて、初心者でも育てやすいため人気の観葉植物のパキラ。
購入して育て始めたけど、
- 水やりの頻度が分からない
- 剪定のやり方が分からない
- 葉が枯れてきてしまった
そんな悩みを抱えていないでしょうか?
この記事は「パキラの育て方完全ガイド」として、パキラの育て方を網羅した内容になっています。
水やりや肥料の選び方などの基本的な育成方法から、パキラの編み込み方や増やし方まで解説します。

パキラとは?マネーツリーとも呼ばれる縁起の良い木

手入れが簡単な上、ダイソーなどの100円ショップでも購入可能で、人気な観葉植物のパキラ。
パキラとは学名「Pachira glabra」といい、原産国は中南米。湿度の高い環境を好み、特にブラジル、ペルーなどの熱帯雨林に自生している植物です。自生しているパキラは高さ20mにもなり、大型の植物といえます。
日本にあるパキラは主に挿し木で増やされた株が多く、大きさは10cm〜2m程度です。日本のパキラは自生しているものと比べると非常に小型になります。
別名「マネーツリー」とも言われ、風水では金運を呼び込む植物として知られています。そのため、運気の入り口として家の玄関や店舗の入り口に置く場合が多く、縁起がいい植物として店の開店祝いにプレゼントするケースもあります。
また、観葉植物として一般的に言われるように、二酸化炭素を吸収して酸素を放出し、室内の空気を整える働きがあります。また、風水的には「邪気を払う」、「良い気に浄化してくれる」とされるため、精神的な安らぎをもたらす植物としても親しまれています。
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パキラの育て方
パキラは比較的手入れが簡単で、初心者でも育てやすい観葉植物ですが、過剰な水やりや置き場所には注意が必要です。
水をあげすぎると根腐れをおこしたり、直射日光が当たる場所に置くと葉焼けをおこしてしまいます。
ここでは
- 水やり
- 置き場所
- 肥料
などの基本的な育成方法について説明していきます。
水やりについて
水やりの頻度についてです。パキラは湿った環境を好む植物ですが、過剰な水やりは根腐れの原因になります。与える水の温度は20度程度が良いです。常温に近い温度の水を使用しましょう。
水やりの頻度は季節によっても変わってきます。
春の水やり方法
春は新芽がでてくる季節です。新芽がでてきたら、たっぷりと水を与えましょう。新芽が出ている際に、水切れをおこすと新芽が枯れる危険性があります。
頻繁に土の乾き状態を確認して、適切な水やりをする必要があります。そして、日中に光合成をおこなえるように、午前中に水を与えてあげましょう。
夏の水やり方法
夏はパキラの成長期です。適切な水やりでパキラを大きく成長させましょう。夏場は土の乾きが早いので、頻繁に乾燥しているかを確認し、水を与えます。
しかし、水の与えすぎで常に土が湿っている状態は良くありません。根腐れの要因にもなるため、乾燥してからの水やりが非常に大切になってきます。
水をあげる時間帯は、暑くなる前の朝方の涼しい時間帯が適しています。
秋の水やり方法
秋は冬にむけて水やりの頻度を少なくしていきましょう。夏と同じペースで水を与えてしまうと根腐れの原因にもつながります。
土の表面がしっかり乾ききっていることを確認してから、水やりをおこないましょう。
水やりは春と同様に午前中に与え、日中にしっかり光合成できるように環境を整えてあげることが重要です。
冬の水やり方法
冬場はパキラにとって休息期にあたります。水やりの頻度は少なくしてあげましょう。
冬場の水やりは土の表面が乾いているのを確認してから、鉢底から水が流れ出るまで与えることが大切です。
受け皿に溜まった水をほったらかしにせず、溜まった水は処分しましょう。水が溜まっていると根腐れの要因になります。
冬場の朝方は寒いため、日中の暖かい時間帯に与えると良いでしょう。
置き場所
ここではパキラの置き場所について説明します。パキラは日当たりがいい場所を好みますが、直射日光は避けた方が良いです。
特に夏の強い日差しは葉焼けを起こす要因にもなるので、直射日光を避けてあげましょう。
理想は直射日光ではなく、レースカーテン越しの間接光があたる場所が良いです。このような場所ならば、葉焼けを防止でき、さらに光合成もできます。
ですが、パキラは耐陰性があり多少暗い場所でも大丈夫です。間接光があたる場所を用意できない場合でも、育成することができます。
そして、育成に適した温度ですが、パキラは熱帯地域の植物なので寒さに弱いです。室内温度は15〜20度をキープしましょう。
気温が10度以下になると、葉が変色したりストレスを感じることがあります。室温に気を配り、暖かい環境を構築しましょう。
冬場は室内の温度を暖かくし、パキラが弱るのを防ぎます。特に窓際は温度が低くなりやすいため、避けて配置することが大切です。
夏場は室内が高温にならないように管理しましょう。パキラは高温に比較的強い植物ですが、35度を超えるとストレスを受ける危険性があります。ストレスを受けると葉が変色したり、成長が止まってしまう可能性があります。
温度が高くなる可能性がある場所は避け、風通しのいい場所に置いてあげましょう。
ここからは風水的なパキラの置き場所についての説明です。上記でも説明しましたが、風水的に金運を呼び込む植物とされています。
北の方向に置くと金運が上昇するとされ英語名で「Money Tree」または台湾では「発財樹」と言われています。
この言葉の由来は「財を発する」「金持ちになる」という意味をもち金運をもたらす象徴とされています。
肥料
パキラはあまり肥料を必要としない植物ですが、春から夏の成長期には、適量の肥料を与えると元気に育ちます。
パキラには水はけの良い土が適しています。
なぜならパキラは元々、水はけが良く、過剰に水分が蓄積しない土地に自生しているからです。
水はけの良い土は根が酸素を取り入れやすく、健全に発育するために必要です。
逆に水はけの悪い土を使用すると、根腐れの原因となり発育の妨げとなります。
パキラの適した土を選ぶのならば、自分でブレンドすると良いでしょう。赤玉土、腐葉土、川砂を同じ分量で混ぜ合わせるのがおすすめです。
ですが、自分でブレンドした土を使用するのは、手間と時間がかかります。面倒なことを避けたい人は、ホームセンターなどに置いてある市販の観葉植物用の土を使っても問題ないです。
市販の肥料の選び方ですが、肥料の成分内容を確認しながら選びましょう。
植物には「窒素(N)」「リン酸(P)」「カリウム(K)」の栄養素が必要です。
窒素は葉の成長を助け、緑の葉色を保ってくれ、リン酸は根の成長を助け、パキラを元気に育てたい際に必要。カリウムは根や茎を育て、病害虫に対する耐性を高めてくれます。
通常は肥料のパッケージの内容を確認し、NPK比率(窒素、リン酸、カリウムのバランス)が均等に入っているものを選ぶと良いでしょう。
葉の成長に重きをおく場合は窒素が多めの肥料を、株の成長に重きをおく場合はリン酸やカリウムが多く入っている肥料を選ぶと良いです。
また、肥料には化学肥料と有機肥料がありますが、パキラは室内で育てる場合が多いため、化学肥料を選ぶといいでしょう良いでしょう。有機肥料は魚粉や鶏糞が原料になっています。そのため独特の臭いがあり、虫が発生する原因になるからです。

剪定の仕方
剪定はパキラの健康な成長を促すために、かかせない作業です。剪定をすることによって、形が整いバランスが良い綺麗な見た目になります。
剪定のタイミングは成長期の5月から7月におこないます。パキラは成長期に入ると新芽が出やすくなるため、剪定の際に切った部分の下から新しい芽が出やすくなり、樹形を整えるのが簡単です。特に、剪定後すぐに新芽が出るため、植物にとってストレスが少なく、健康的に成長をします。
まずは剪定バサミを用意します。使用する前にアルコール消毒をすることによって病気の感染を防止できます。
剪定の手順としては、最初に枯れた葉や枝を取り除きます。葉が密集している部分も葉が被らないように切り落としていきましょう。
この作業により、植物の通気性が良くなるため、病害虫の発生を防げます。
次に成長点を残して切りましょう。成長点とは、幹や枝の新芽でてくる盛り上がっている箇所です。
新芽をだすためにこの箇所を残しましょう。成長点の2cmほど上を切り落とします。
余計な枝が取り除かれることによって、植物全体に栄養が行き渡る様になります。
剪定時期を間違えなければ、パキラを丸坊主にしても問題ないです。夏はパキラにとって成長期なので、日の当たる場所に置くことで、新芽が生えてきます。
剪定後は切り口に殺菌剤を塗りましょう。病気の感染を防ぐことができます。
そのあとは、直射日光が当たらない日当たりの良い場所に移動させましょう。また、風通しの良い場所に置くことで、湿気がこもらず健康的な成長につながります。
パキラの編み込み方
園芸店で見かけることのある、幹が編み込まれたパキラ。実は、これは自分で作ることも可能です。ここでは、パキラの編み方についてご紹介します。
まず、パキラの実生苗を2〜3株用意します。実生株とは、挿し木ではなく種から育てられたものです。編み込みを始める前に、邪魔になる葉や枝を剪定しておきましょう。
その後、鉢に土を入れ、用意した苗を寄せ植えしていきます。2本の場合は並べて、3本の場合は正三角形になるように配置し、株間は10cm程度空けて植えましょう。
編み込みは、根元から優しく行います。無理に強く編み込まず、多少隙間が空いた状態でも問題ありません。編み込みは一度に全てを終わらせる必要はなく、パキラの成長に合わせて徐々に編み込んでいくと良いでしょう。
編み込みが終わったら、鉢の中央に支柱を立て、紐などで支柱と編み込んだ幹を固定します。
編み込みを行うのに適した時期は、パキラの成長期である5〜7月です。この時期はパキラが比較的ストレスに強く、多少の負担にも耐えることができます。また、幹が柔らかいうちの方が編み込みやすいため、幹が硬くなる前に行うのがおすすめです。
編み込み後の管理は、日当たりの良い場所で行いましょう。編み込み後のパキラは株の密度が高くなっているため、風通しの良い場所に置くことで病害虫の発生を抑えることができます。
ただし、通常のパキラに比べて、編み込みパキラは枯れやすい傾向があります。これは、幹同士が締め付け合うことで組織を傷つけてしまい、一部の幹が枯れてしまう可能性があるためです。
もし幹が枯れてしまった場合は、その部分を取り除く必要があり、通常のパキラよりも管理に手間がかかります。そのため、編み込み後のパキラは状態を注意深く観察し、適切な管理を心がけましょう。
パキラの増やし方
パキラは剪定時に切り落とした枝を使って増やすことができます。主な方法として、土に挿す挿し木と、水に挿す水挿しがあります。以下、それぞれの方法について詳しく説明します。
挿し木は、パキラの生育が旺盛な5〜7月に行うのが最適です。この時期に行うことで、挿し木の成功率を高めることができます。まず、剪定で切り落とした枝を用意します。用意した枝を土に挿します。
通常、挿し木後1〜2ヶ月ほどで発根し、新芽が出てきます。この新芽は発根のサインです。発根後、さらに1〜2ヶ月ほど経ってから鉢に植え替えましょう。
植え替え後は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。水を与える際は、鉢底から水が流れ出るまでしっかりと与え、鉢底に溜まった水は必ず捨ててください。水が溜まったままだと根腐れの原因になります。
置き場所は直射日光の当たらない明るい場所を選び、その後徐々に日光に慣らしていくようにしましょう。
水挿しは、小さな花瓶などを使って手軽にできる方法です。
まず、花瓶に常温の水を入れます。水温は20度程度が適しています。剪定で切り落とした枝の先端を斜めにカットしてから花瓶に入れます。斜めに切ることで、水分を吸収する面積が広がり、発根が促進されます。
枝には上部に2〜3枚の葉を残し、余分な葉は取り除きます。葉が多いと水分の蒸発が多くなり、発根しづらくなるため、適度な枚数を残すことが大切です。
水は2〜3日に1回交換し、常に清潔な状態を保つようにしましょう。汚れた水を使い続けると根腐れの原因になります。
通常、水挿しでは1ヶ月弱ほどで発根します。置き場所は直射日光の当たらない明るい場所にしましょう。十分に根が成長したら、鉢に植え替えます。鉢にたっぷりと土を入れ、植え替え後に水を与えましょう。
パキラの調子が悪い時。枯れる原因と対処法
パキラが枯れる主な原因は以下の4つです
- 根腐れ
- 水枯れ
- 日照不足
- 病害虫
根腐れ
水のあげすぎが原因でおこる根腐れ。土が乾かない状態で水やりをしてしまうと、土が湿りっぱなしになり、根が呼吸できずに腐ってしまいます。
最悪の場合、葉が落ち、幹や枝が枯れてしまいます。対策としては土の表面が乾いてから水やりをすることです。鉢を持って軽く感じたら水やりのサインなので、水を与える様にしましょう。
水枯れ
パキラは比較的乾燥に強い植物ですが、水不足により枯れる場合があります。
葉が元気を失い、下を向いて垂れ下がってきたら水不足のサインです。鉢底からたっぷりと水を与えてあげましょう。
ただし、鉢底に水が溜まった状態だと根腐れの原因につながるので、溜まった水は流し、適切な水やりをおこないましょう。
夏場は土の乾燥が早いため、こまめなチェックが必要となります。水不足のサインを見逃さずに適切な水やりが大切です。
日照不足
パキラは耐陰性があり、多少の日陰でも耐えられる植物です。しかし、長時間にわたって日光不足が続くと枯れる原因になります。
日光不足が続くと、茎がひょろひょろと細長く伸びてしまいます。徒長といわれる現象です。さらに葉が黄色く変色し、枯れ落ちてしまい、全体的に元気がなくなります。
対策としては定期的にパキラを外に出して日光を与えることです。難しい場合は植物育成用のLEDライトで補うなどしましょう。

病害虫
観葉植物には病害虫対策が必須です。最悪の場合は病害虫が原因でパキラが枯れてしまうことがあります。
病害虫として代表的なのはアブラムシやハダニ、カイガラムシなどです。これらの害虫は植物の栄養を吸い取り枯らせてしまいます。
葉の裏側や茎の根元を、定期的に観察し観察し、虫が潜んでいないかチェックが大切です。虫が潜んでいる場合は専用の殺虫剤を使用し、害虫が増えるのを防ぎましょう。
パキラが枯れることを防ぐためには、適切な水やり、十分な日光、良好な風通しを確保することが重要です。また、早期発見と対策が枯れを防ぐ鍵となります。
まとめ
パキラは初心者でも育てやすく、インテリアとしても人気の観葉植物です。本記事では、適切な置き場所や水やり、肥料の与え方、剪定のポイントなど、パキラを元気に育てるための基本をお伝えしました。
上記のポイントを守って、元気で綺麗なパキラを育ててください。パキラは成長が早い植物なので、適切な水やりや置き場所を選べば、すくすくと成長します。
色々試行錯誤しながら、パキラの育成を楽しんでください。
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