この記事では、初心者の方でも安心してモンステラを育てられるように、水やりや置き場所、肥料、剪定といった基本の育て方を分かりやすく解説します。
モンステラをこれから育てたい方、育てているけどうまくいかないという方は、ぜひこの記事を参考いただけると幸いです。

モンステラとは?

モンステラ(学名:モンステラ・デリシオーサ)は、「スイスチーズプラント」とも呼ばれ、その特徴的な葉の形から人気の観葉植物となっています。
深く切れ込んだ葉は力強く成長し、お部屋に飾るとたちまち南国のような雰囲気を演出します。存在感もあり、モンステラはお部屋のアクセントとしても最適です。
中南米の熱帯雨林が原産のモンステラはサトイモ科の植物で、食用となる実をつける数少ない種類の一つですが、屋内で花が咲いたり実がなることはほとんどありません。
本来はつる性の植物で、気根(地表から出て空気中に出ている根)を木の幹などに絡ませながら、太陽の光を求めて上へ伸びていきます。
光沢のあるハート形の葉も特徴で、比較的容易に育てることができます。生育は旺盛で、年に30cmから60cmほど成長し、完全に成熟するまでには約3年かかります。
モンステラの育て方
水やりについて
モンステラを育てる上で、水やりはとても大切なポイントです。適切な水やりを行うことで、モンステラの健康な成長を促し、美しい葉を保つことができます。
水やりのタイミング
モンステラの水やりは、土の表面から2〜5cmほど下まで乾いてから行うのが基本です。土の表面だけが乾いているように見えても、中はまだ湿っている場合があります。
指で土を軽く掘ってみて、乾いていることを確認してから水を与えましょう。水やりの頻度は、生育期(春〜秋)は1〜2週間に1回程度が目安ですが、これはあくまで目安です。
日当たりの良い場所では土が乾きやすく、風通しの良い場所では蒸発も早いため、より頻繁に水やりが必要になる場合があります。
逆に、日当たりの悪い場所や風通しの悪い場所では、土が乾きにくいため、水やりの間隔を空けるように調整します。
冬の休眠期は、さらに水やりの回数を減らし、土が乾いてから2〜3日、あるいはそれ以上経ってから水を与えるようにしましょう。
水やりの方法
水を与える際は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。
これは、鉢の中の古い水と空気を入れ替え、根全体に新鮮な水を行き渡らせるために重要です。
水やり後は、鉢皿に溜まった水を必ず捨ててください。溜まったままにしておくと、根腐れの原因となります。
モンステラは、水はけの良い、ピートモスやパーライトなどを配合した培養土を好みます。市販の観葉植物用培養土でも問題ありませんが、水はけが悪い場合は、川砂や軽石などを混ぜて水はけを改善すると良いでしょう。
水はけが悪い土壌では、土が常に湿った状態になり、根腐れを引き起こしやすくなります。
葉水(はみず)を行う
水やりとは別に、葉水もモンステラの健康維持に役立ちます。
葉に霧吹きで水をかけることで、葉の表面を清潔に保ち、乾燥を防ぐことができます。特に、エアコンなどで空気が乾燥する時期や、冬季の暖房を使用する時期は、こまめに行うと良いでしょう。
水やりでよくあるトラブル
水やりは多すぎても少なすぎても、モンステラに悪影響を与えます。葉の状態をよく観察し、以下のようなサインを見逃さないようにしましょう。
葉が黄色くなったり、垂れ下がったりします。葉先が茶色く乾燥することもあります。
葉が黄色と茶色のまだら模様になったり、葉がぶよぶよになったりします。土が常に湿っている状態が続くと、根腐れを引き起こす可能性が高まります。
これらのサインに気づいたら、水やりの頻度や方法を見直しましょう。
置き場所と日光について
モンステラの美しい葉を育てるためには、適切な日光が欠かせません。しかし、直射日光は葉焼けの原因となるため、置き場所には注意が必要です。
置き場所として最適な環境
モンステラは、明るい日陰(間接光)を好みます。具体的には、レースのカーテン越しに日光が差し込むような場所が最適です。午前中の数時間であれば、直射日光に当てても大丈夫ですが、真夏の強い日差しは避けましょう。特に、西向きの窓から差し込む午後の強い日差しは、葉焼けの原因になりやすいため注意が必要です。東向きまたは西向きの窓辺、あるいはレースカーテンなどで遮光した南向きの窓辺などが適しています。
日照不足だと葉の成長に影響が出る
ある程度の暗さにも耐えることができますが、暗すぎる場所では生育が鈍くなり、葉の切れ込みや穴がうまく発達しないことがあります。「葉っぱに切れ込みが入らない」という場合は、日照不足を疑ってみましょう。
屋外での置き場所
モンステラは自生地では、深い森の木陰や木漏れ日の当たるような半日陰で生育しています。このことから、直射日光が当たらない場所でも十分に育つことが分かります。
屋外で管理する場合は、直射日光が当たらない、風通しの良い場所を選びましょう。
室内での置き場所
室内で育てる場合でも、直射日光が当たらないように注意することが重要です。
葉が焼けてしまうと、見た目が悪くなるだけでなく、植物の生育にも悪影響を与えます。窓辺に置く場合は、必ずレースのカーテンなどで遮光しましょう。
植物育成ライトの使用も検討する
日照時間が不足しがちな冬場や、日当たりの悪い部屋では、植物育成ライトを使用するのも有効です。植物育成ライトは、植物の成長に必要な光を補うことができ、より健康な株に育てることができます。

肥料の与え方
モンステラは、適切な肥料を与えることで、より大きく、より美しい葉を育てることができます。肥料は、人間でいう食事のようなもので、植物の成長に必要な栄養分を補給する役割を果たします。
肥料を与える時期
モンステラに肥料を与えるのは、生育が旺盛になる春から秋にかけての期間です。この時期は、植物が活発に成長するため、多くの栄養を必要とします。
冬は成長が緩やかになるため、肥料を与える必要はありません。ただし、植物育成ライトを使用して一年を通して生育を促している場合は、冬でも薄めた肥料を少量与えても良いでしょう。
肥料の種類
モンステラには、窒素、リン酸、カリウムがバランス良く含まれた液体肥料がおすすめです。
市販の観葉植物用液体肥料であれば、特に問題ありません。肥料のパッケージに記載されている成分表示を確認し、バランスの取れたものを選びましょう。

肥料の与え方
液体肥料を使用する場合は、必ず水で薄めてから与えます。
原液のまま与えると、肥料焼けを起こして植物を傷めてしまう可能性があります。肥料のパッケージに記載されている希釈倍率に従って薄めましょう。例えば、「水1リットルに対して肥料〇ml」といった指示があるはずです。
薄めた肥料は、水やりと同じように、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。鉢皿に溜まった水は必ず捨ててください。
肥料を与える頻度
生育期(春〜秋)は、月に1回程度、薄めた液体肥料を与えるのが目安です。
ただし、肥料の種類や生育環境によって適切な頻度は異なるため、植物の様子をよく観察しながら調整しましょう。
肥料を与えすぎると、土壌の環境が悪化したり、植物自体を傷めてしまう原因となるため、注意が必要です。
肥料を与える際の注意点
- 肥料を与えるのは、土が乾いている時ではなく、水やり直後の湿った状態の時が良いでしょう。
- 弱っている植物や植え替え直後の植物には、肥料を与えないようにしましょう。
- 肥料の種類によっては使用方法が異なる場合があるので、必ずパッケージの説明をよく読んでから使用しましょう。
モンステラの剪定の仕方
モンステラは生育が旺盛な植物なので、適切な剪定を行うことでより美しく、より健やかに育てることができます。
剪定は植物の形を整えるだけでなく、風通しを良くしたり新しい芽の成長を促したりする効果もあります。
剪定の目的
モンステラの剪定は、主に以下の目的で行います。
大きさを調整する
成長して大きくなりすぎた株を、お部屋のスペースに合わせて調整します。
不要な部分を取り除く
枯れた葉や傷んだ葉、葉の少ない茎などを取り除き、見た目を良くします。
新しい芽の成長を促す
古い茎を剪定することで、新しい芽の成長を促します。
生育方向を調整する
支柱や紐などを使って、つるの伸びる方向を調整します。
剪定の時期
モンステラの剪定に最適な時期は、生育期にあたる5月から9月頃です。特に、5月から7月頃に行うと、剪定後の回復が早く、新しい芽が出やすいためおすすめです。
大きく切り戻す強剪定を行う場合は、6月の梅雨時期までに行うのが望ましいでしょう。秋以降は成長が緩やかになるため、剪定は控えめにしましょう。
冬はモンステラの休眠期にあたるため剪定は避け、春を待ってから行うようにしましょう。
剪定のやり方
剪定には、清潔で切れ味の良いハサミや剪定バサミを使用します。刃が汚れていると、切り口から病原菌が侵入する可能性があるため、使用前に消毒しておくと安心です。
- 枯れた葉や傷んだ葉の剪定: 葉の付け根から切り取ります。
- 茎の剪定: 新しい芽を出させたい場合は、葉の付け根の少し上(節のすぐ上)で切ります。
- 伸びすぎた茎の剪定: 好みの長さに切り戻します。
気根の取り扱いについて
モンステラの気根は、伸びすぎてしまった場合など邪魔になるのであれば切り取っても問題ありません。
ただし、気根は植物が空中の水分や養分を吸収する役割も持っているため、できるだけ鉢の中に戻してあげるのがおすすめです。
まとめ
大切なモンステラを枯らさないように育てていくには、適切な育て方にもとづいて管理していくことが重要です。
とはいえモンステラは比較的育てやすい観葉植物なので、神経質になりすぎず丁寧に愛情をもってお手入れしてあげましょう。